佐川大輔氏 あいさつ
「エーリヒ・ケストナー~消された名前~」演出家公募で選んでいただきました佐川大輔です。
自劇団THEATRE MOMENTSでは、海外の観客にも共有しやすい身体表現を交えた創作をしています。
だからか、演出家としてストレートプレイのオファーは、これまでほとんど来ませんでした。
こちらの企画で「ぜひ」と私に託してもらえて、とても嬉しいです。
今回は鈴木アツトさんが歴史的事実を元に緻密に書き込んだ「会話劇」。
自分の劇団とは違う面の演出力を、活かしてみるつもりです。
でも、いつも大事にしていることは変りません。
俳優が舞台上で生きていること。
そこから生まれる時間を、観客と共有すること。
自劇団では台本を作るところからの集団創作スタイルですが、今回も根っこは同じ。
主宰のさこうさん、そして集まってくれた俳優さんたちと、
ああでもないこうでもないと作っていきます。
観客の想像力をくすぐりながら、
舞台上の俳優が今この瞬間を生きている――
その結果、現代と地続きになる作品にしたいと思います。
【佐川大輔さんのこと】
佐川さんの作品を拝見した時、作品の冒頭で佐川さんが紙芝居をしていました。そんな作品の導入を楽しく見ていたのですが、クライマックスで、どこまでもめくっては投げられるその紙芝居に、シンプルなものの中にある力強さをみる思いでした。そして何より、彼の作品は俳優たちが、人間が、「命」が輝いています。
過去の彼の作品群は「世界」を視野に入れた、フィジカルで独特な作品が多い印象ですが、今回、1930年代のファシズム吹き荒れるヨーロッパを舞台にするにあたって、やはり「命の輝き」を観たいと願って「エーリヒ・ケストナー~消された名前~」の演出をお願いすることにしました。この「会話」を中心とした青春群像劇を佐川さんがどのように創作をするのか、とても楽しみです。
パンケーキの会 さこうみちこ
佐川大輔プロフィール
THEATRE MOMENTS 主宰、演出家、俳優、ファシリテーター。
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